二十四節気七十二候時計の
読み方・使い方
概要
二十四節気七十二候時計は以下のような使い方ができます。
- 今が二十四節気・七十二候のどの節気・候にあたるかを知る →【リアルタイム表示版】【同シンプル版】
- 次の七十二候がいつから始まるかを知る →【リアルタイム表示版】【同シンプル版】
- 特定の年(2024年や2025年)の二十四節気・七十二候がいつから始まるかを調べる →【特定日時の表示版】
背景
二十四節気や七十二候は太陽と地球の位置関係により決まりますが、各節気が始まる日時は年により異なり、またそれぞれの節気の期間は一定ではありません。これは以下のような要因によります。
- 1年が1日の整数倍ではないこと
- 地球の公転速度が季節により異なること
- 月や惑星の引力による地球の自転軸や公転運動への影響
二十四節気の正確な時期(分単位)については国立天文台が前年に発表しますが、七十二候については(現在も雑節のひとつとして残っている)第三十候の「半夏生」を除き発表はされません。そこで、地球の軌道計算に基づき、毎年の二十四節気だけでなく七十二候の時期を知ることができる時計を作成しました。
使い方
【リアルタイム表示版】【同シンプル版】:特に操作は不要です。ページを開くだけで現在日時における二十四節気・七十二候が表示されます。表示内容は5秒ごとに再計算され、自動更新されます。計算はお使いのブラウザ内で実行されるため、画面を表示したままにしてもデータ通信は発生しません。
【特定日時の表示版】:年月日と時刻※を入力し「実行」ボタンをタップ(クリック)してください。入力した日時における二十四節気・七十二候が表示されます。※年は西暦、時間は24時間制の日本時間で入力してください。
文字表示部の読み方
文字表示部には現在日時、現在の二十四節気、現在の七十二候と、次の七十二候までの残り時間が表示されます。
例えば上の表示ですと、現在日時2024年3月29日の20時00分。二十四節気「春分」の次候、七十二候の第十一候である「桜始開」にあたることを意味しています。また、あと18時間21分で次の七十二候である「雷乃発声」に移行します。
七十二候図の読み方
七十二候図には、現在の七十二候と、その前後の七十二候が表示されます。赤色の線は現在の七十二候における経過時間(現在位置)を示します。現在位置は時間と共に右方向に移動します。青色の矢印は24時間前(1日前)及び24時間後(1日後)の位置を示します。
例えば上の表示ですと、現在は七十二候「桜始開」の後半に位置し、24時間後には、次の七十二候「雷乃発声」に移行していることを意味しています。
二十四節気図の読み方
二十四節気図には、現在の地球の位置と二十四節気との対応が表示されます。二十四節気図は地球の公転面を北半球側上空から見下ろした図となっています。赤丸は太陽、青丸は地球を示します。地球の進行方向は、反時計回りとなります。
例えば上の表示ですと、現在、地球は二十四節気「春分」を通過し、次の二十四節気「清明」に向かっていることを意味しています。
なお、地球の軌道上に振られた数字は太陽黄経(地球と太陽の位置関係)の角度を示しています。春分が0°となり、以下、各二十四節気が15°ごとに対応します。二十四節気・七十二候と太陽黄経との関係はこちらの【表】を参照ください。
二十四節気と七十二候の定義
二十四節気と七十二候の定義は、現在の日本の暦(国立天文台発表の暦)で採用されている「定気法」に基づいています。これは、平たく言えば、太陽に対し地球が動いた角度(太陽黄経)を等分し、15°ごと(360°÷24=15°)ごとに二十四節気を、5°ごと(360°÷72=5°)に七十二候を割り振る方法です。地球の公転速度は一定ではないため、定気法では各節気・各候の期間は一定とはなりません。二十四節気七十二候時計では、地球の軌道計算を行うことで、ある日時がどの二十四節気七十二候にあたるかを計算しています。
二十四節気と七十二候は、各節気と各候を「瞬間」とみなす定義と、「期間」とみなす定義があります。例えば、二十四節気「春分」は太陽黄経0°、次の二十四節気「清明」は太陽黄経15°にあたりますが、「春分」を太陽黄経0°となる瞬間とみなすのが瞬間の定義、0~15°までの期間を「春分」と呼ぶのが期間の定義です。二十四節気七十二候時計では、二十四節気については基本的に瞬間の定義を、七十二候については期間の定義を用いますが、七十二候との対応を示す際には二十四節気についても期間の定義を用います。例)春分(の期間)の初候が雀始巣。各節気と各候の対応についてはこちらの【表】を参照ください。
二十四節気および七十二候の瞬間や期間を示す際には、時間単位で定義する場合と日単位で定義する場合があります。二十四節気七十二候時計では基本的により正確な時間単位での表示を行っております。例えば、春分が時間単位で3月20日12時6分の場合、「春分の日」はその時間が含まれる日、すなわち3月20日となります。この場合、春分の初候である七十二候の「雀始巣」も3月20日から始まり、そのひとつ前の七十二候「菜虫化蝶」は3月19日に終わることになります。日単位の二十四節気・七十二候を知りたい場合は、【特定日時の表示版】において、時刻を23時59分に固定して日にちを入力いただければ、その日がどの二十四節気・七十二候に該当するかを調べることができます。
計算方法と精度
地球の公転軌道は楕円であり(ケプラーの第1法則)、地球が太陽の周りをまわる公転速度・角速度は一定ではありません(ケプラーの第2法則)。公転速度は地球が太陽に近づく1月に最も速くなり、太陽から遠ざかる7月には最も遅くなります。そのため、春分~秋分の日数と秋分~春分の日数には約7日の差が生じます。二十四節気七十二候時計では、この差を正しく再現するため、ケプラー方程式(太陽に対する惑星の位置を定義する方程式)を解くことにより地球の位置(太陽黄経)を求めています。ただしこれだけですと、月や惑星の引力の影響までは再現しきれないため、計算結果に年ごとの補正を加えることで、計算精度を高めています。この結果、2023~2030年については、時間にして±10分以内、それ以外の期間についてもおおむね±20分以内の精度で、二十四節気・七十二候の時期を計算できることを確認しています。